話題の画像生成AI、”Stable Diffusion” とは
最近よく「画像生成AI」という言葉を耳にすることが多くなりました。画像生成AIとは、入力したテキストを頼りに、AI(人工知能)が自動的に数秒で画像を自動生成するシステムを指します。日本でよく画像生成AIには「Stable Diffusion」や「Midjourney」などがあり、デジタル業界にとって大きく影響している存在となっています。画像生成AIに高品質な画像を作成させるためにプロンプト(魔法の呪文)と呼ばれるものがあり、文字列が長ければ長いほど、また単語の数が多ければ多いほどユーザーのイメージに沿った精密な画像を生成してくれます。
このページではWindows11でのStable Diffusion(AUTOMATIC1111)の導入方法を紹介していきたいと思います。Stable Diffusionにはオンライン(Web版)とローカル版があり、ローカル環境(お持ちのPCをサーバー化)での紹介をしていきます。
”Stable Diffusion” に必要な環境(推奨スペック)
Stable Diffusionの使用はGPU(グラフィックボード)に依存するようです。ですのでGPU(グラフィックボード)の性能が高ければ高い程快適に動作するようです。
Stable Diffusionのホームページでは、このような質問が書いていました。
Q. What kinds of GPUs will be able to run Stable Diffusion, and at what settings?
A. Most NVidia and AMD GPUs with 6GB or more.
Nvidia(GeForce)、AMD(RADEON)で6G以上のメモリなら動作可能と書いております。
GeForceならRTX2060以上(VRAM6G)、RADEONならRX6600(VRAM8G)以上なら動作可能でしょう。筆者のグラフィックボードはRTX4070(VRAM12G)ですので問題なく動作すると思います。
メモリは16GMB以上
ハードディスクのディスク容量は25GB以上の空きがあること。
CPUのスペックは特に記述は見つかりませんでしたが、やはり6コアで12スレッド以上の性能はあった方が良いかと思います。Intelならi5(第10世代 i5 10400)以上。
”Stable Diffusion” の導入
必要スペックを確認したうえで、Stable Diffusionをインストールしていきましょう。手順は以下の順番で進めていきます。
- “Python3.10.6″のインストール
- “Git”のインストール
- “Stable Diffusion(AUTOMATIC1111)”のインストール
- “Stable Diffusion(AUTOMATIC1111)”の起動
1.”Python3.10.6″のインストール
・”Python”とは、1991年にオランダ出身でアメリカ人エンジニア、グイド・ヴァン・ロッサムによって開発されたオープンソースのプログラミング言語です。これをインストールする事によってPythonの言語でStable Diffusionを操作できるようになります。Pythonのホームページではいろんなバージョンが公開されていますが、Stable Diffusionはver.3.10.6が推奨されていて、それ以外では動作しないと言われています(2023年6月現在)。
インストール方法
まずはPythonのダウンロードページに入り、ページの下の方まで行き、OSに合わせてダウンロードしましょう。例として、筆者の使用しているPCはWindows11なので64bitのインストーラーをダウンロードします。(Windows32bitの方やMacの方はそれにあったインストーラーをダウンロードしてください)ダウンロードしたファイルは.exeファイルなのでそのまま開いてください。
インストールのポップアップ画面が出てくるので、一番下にある「Add_Python 3.10 to Path」にチェックを入れ(重要)、保存場所を確認してInstall Nowをクリックしてください。(保存場所を変更したい場合はCustomize installationをクリックして変更してください。)
最後にCloseボタンを押してPythonのインストールは完了となります。
2.”Git”のインストール
次にGitのダウンロードページへアクセスしてください。
”Click here to download”のリンクを押してダウンロードしてください。ダウンロードが終わったらその.exeファイルを開きます。
インストール画面がでたら、“Next”で次に進めます。
保存先フォルダの設定です。Gitを入れる際C:ドライブ以外に保存すると筆者は不具合がおきてしまったので、C:ドライブに保存しました。ここからは説明すると話が長くなるので、全て“Next”で進めてインストールしてください。
閉じる画面では、リリースノートを見るのところに☑が入っているので、見るのが面倒な方はチェックを外して“Finish”を押してポップアップ画面を閉じてください。
3.”Stable Diffusion(AUTOMATIC1111)”のインストール
最終段階の“Stable Diffusion”をインストールをする作業に入ります。
“Stable Diffusion”をインストールしたいドライブ、フォルダーを決めます。(その場所に生成したデータが入っていくので、できればC:ドライブ以外のディスクを選ぶ方が良いでしょう)
決定したら、そのフォルダで右クリックし、“Git Bash Here”をクリックしましょう。(Windows11の場合は右クリックをし一番下のオプションの中にあります。)
“Git”が立ち上がりましたら、黒い画面のポップアップウィンドウがでてきます。そこにインストール先のURLを入力します。
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
この文字列をコピーして“Git”のポップアップ画面にペーストして”enter”を押してください。(Gitにペーストする時はCtrl+vが効かないので右クリックでペーストの実行をしてください。)
ダウンロードとインストールが始まります。
たまに次のエラーが出てダウンロード自体始まらない場合があります。
fatal: unable to access ‘https://github.com/flow-typed/flow-typed.git/’: SSL certificate problem: self signed certificate in certificate chain
これはSSL証明書をGit側が認証しません。という事みたいです。
その場合は、次の文字列を入れてSSL証明書の認証をOFFにして、上記の文字列を入れてみてください。
git config –global http.sslVerify false
4.”Stable Diffusion(AUTOMATIC1111)”の起動
インストール先に“stable-diffusion-webui”というフォルダが生成されているのでそのフォルダを開いてください。フォルダ内の下から2つ目の“webui-user.bat”をクリックします。
コマンドプロンプトが開き、Stable Diffusionの起動準備をはじめます。少し時間がかかりますが、閉じずに終了までお待ちください。
起動準備が終了したら、赤マルあたりに“http://127.0.0.1:7860”というように、アクセス用URLが表示されます。
インターネットブラウザ(edgeやchromeなど)を開いてURL部分に“http://127.0.0.1:7860”を入れてアクセスすると、“Stable Diffusion”の画像生成入力画面が開きます。
これで起動までの作業は終了となります。